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広域需給調整プログラムMR (Multi area Regulation Program)

将来を想定した電力需給模擬を実現するプログラムを提供します。

再生可能エネルギー発電の大規模導入が行われ、今後、出力調整が困難な電源の運用の割合が増加し、従来需給調整を担ってきた集中電源の発電割合の低下やLFC(負荷周波数制御)に代表される様々な時間領域の需給調整の能力(以下「需給調整力」と呼ぶ)低下が想定されます。また、既に欧州で取組まれている連系線を活用した需給調整力の融通も導入されることが想定されます。
こうした流れの中で、今後の電力需給解析では、連系系統において様々な時間領域の変動と調整(今回はLFC調整力)を考慮した解析が必要になると考えられます。

連系線を考慮した連系系統の需給模擬

LFC調整力を考慮した需給解析

これまで、再生可能エネルギーの大量導入時の検討として、需給調整機能を拡張した連系系統の最小費用最適電源計画策定プログラム(ESPRIT)で解析を実施してきました。しかし、ESPRITの需給調整機能は、再生可能エネルギーを優先給電する想定のため、調整用電源と再生可能エネルギーの経済性が考慮できないという課題がありました。
また、連系系統の解析に時系列の起動停止(ユニットコミットメント)モデルを厳密に適用するには膨大な計算時間が必要となります。
さらに、再エネ大量導入に対して、欧州では他エリアの調整力活用が実施されており、国内においても連系線を活用した需給調整の検討が行われています。

新たなモデルの機能

電源による需給調整と再生可能エネルギー出力制御、連系線によるエネルギーと調整力融通といった需給運用を、経済性を考慮して模擬する機能を実現しました。
検討の対象は連系系統の運用計画を含む設備計画問題と定義します。検討対象期間が1~数十年と長期間になります。将来の不確定な状況に対して想定される多数のシナリオを設定して解析・評価を行うため、厳密でなくとも高速に計算できる機能を実現しました。
連系線のエネルギーと調整力融通を含みます。

各制御エリアの連系線利用率のイメージ

モデルの概要

再生可能エネルギーが大量導入された場合に、隣接する系統間で一体運用を行うなど、連系線を活用した需給調整の模擬を含め、電力需給を模擬するユニットコミットメント(UC)モデルを高速に解きます。再生可能エネルギーの発電出力は確定値として与えます。

  • (1) 連系線を考慮した連系系統の需給模擬

    連系系統を対象に、経済融通、需給調整力、再生エネルギー抑制を考慮して、時間断面ごとに需給模擬の最適化を行います。

    連系線を考慮した連系系統の需給模擬
  • (2) 揚水を考慮した単独系統の需給模擬

    上記(1)で決定した各時刻の連系線の潮流を固定した状態で、揚水を含めた単独系統の日間の需給模擬の最適化を行います。

    揚水を考慮した単独系統の需給模擬
  • (3) (1)と(2)を組み合わせたモデルの処理フロー

    「連系線を考慮した需給模擬」は1時間毎に燃料費最小となるよう最適化します。
    「揚水を考慮した単独系統の需給模擬」は1日毎に燃料費最小となるよう最適化します。

    組み合わせたモデルの処理フロー

モデルの定式化

定式された最小化問題は、数理最適化ソルバを利用して求解します。

モデルの定式化

発表論文

「連系線によるエネルギーと需給調整力融通を含む電力需給解析手法」,電気学会 電力・エネルギー部門論文誌,pp.83-92, 137巻, 2号, 2017年


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