RTDSとは

RTDSとは

RTDSはリアルタイム(実時間)でシミュレーション計算する全デジタルの電力系統解析用シミュレータであり、あたかも実際の電力系統が動作している状況を作り出すことができます。
RTDSは世界各国の多くの電力会社、重電機器メーカー、研究機関、大学などでご採用いただき、次のように活用されています。

  • 保護リレーシステムの設計、開発試験、工場受入試験
  • HVDC、SVCなどの制御装置、系統安定化制御装置などの設計、開発試験、工場受入試験
  • パワーエレクトロニクス機器を含む電力系統のシミュレーション
  • 調査、研究、教育、研修

RTDSの特徴

  • 計算刻みは数百nsから数百μsまでリアルタイムシミュレーションを実現します。
    注:通常、計算刻み(タイムステップ)は30~60μsです。本シミュレータはマルチタイムステップによる計算を可能としており、インバータを詳細に模擬するため計算刻みを数μsにするなど、目的に合わせて計算刻みを選んでシミュレーションが可能です。

RTDS

  • 母線数が1000以上の大規模系統までシミュレーションが可能です。
  • 世界各国の多くのユーザに活用され、他の実績あるシミュレーションソフトウェアや実系統との等価性が検証されています。数値積分手法はEMTPと同様のDommelアルゴリズムを採用しています。
  • 制御装置、保護リレー装置など外部機器を接続して実系統での使用状態を模擬した試験(閉ループテスト)が可能です。勿論、制御保護装置等の回路をRTDSでモデル化し、シミュレーションすることも可能です。
  • PC上で動作するグラフィカル・ユーザ・インターフェース(RSCAD)を用いて、容易に電力系統モデルを作成しシミュレーションできます。豊富に用意された電力機器や制御系のコンポーネントを組み合わせるだけで任意の電力系統モデルが構築できます。また、潮流計算機能や多数のシミュレーションを自動で実行し結果をまとめるスクリプト機能を備えており、効率よくシミュレーションを進めることもできます。

グラフィカル・ユーザ・インターフェース(RSCAD)

  • ユーザ定義のコンポーネント(電力機器、制御系)も容易に作成できます。 RSCADに付属するツール(CBuilder)でコンポーネントのイメージ、パラメータ入力用ダイアログ、計算処理(C言語)を定義することで、ユーザは容易にリアルタイムに動作するモデルが構築できます。
  • イーサネットに接続された装置と通信するためのカード(GTNET)を利用することで、IEC61850規格、DNP、PMU、Playbackなどの機能が利用できます。
  • RSCADは随時バージョンアップされ続けており、メンテナンス契約したユーザは随時新しい機能やモデルが提供されます。ハードウェアは一世代前のハードウェアとの互換性を維持しています。そのため、既存の設備を部分的に最新ハードウェアにバージョンアップすることで、より低コストに機能向上できます。
  • 主な系統要素モデル
  • 発電機と多質点軸モデル、変圧器(励磁特性モデル含む)、送電線(π型、分布定数、周波数依存など)、負荷モデル(動特性付含む)、避雷器モデル、詳細CTモデルなど
  • HVDC、SVC、STATCOM、UPFCなどのパワエレ機器および制御装置
  • 電圧型自励式変換器モデル(2レベル、3レベル、マルチレベル[MMC: Modular Multilevel Converter])